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プロがやっているサーバー電源容量を簡単に計算する方法 -kVAって何?

プロがやっているサーバー電源容量を簡単に計算する方法   -kVAって何?

あなたは、新しく導入するシステムのサーバー台数、スペックなどを決めたところです。このとき、「設備を手配するからラックに入れるサーバーの合計電源容量を教えてほしい」といわれて困ったことはありませんか?
また、あなたはkVAとWの違いがわかりますか?

サーバーラックのスペック検討時の重要項目の一つが「サーバーラックの提供電源容量」です。サーバー電源容量は計算ミスをすると、不要な追加工事が必要になったり、最悪の場合、電源容量オーバーでシステムがストップすることがあります。よって、必要なサーバー電源容量は、間違いのないよう細心の注意を払って計算する必要があります。

本コラムでは、サーバー導入時に必要な電源容量を、自信を持って計算する方法について解説します。

1. サーバー電源容量の計算がなぜ必要か

1-1. サーバー電源容量で用意する設備が異なる

家庭や会社で、みなさんが使っている「電源タップ」には、製品ごとに「合計1000Wまで」「合計1500Wまで」といった利用条件が記載されています。つまり、「電源設備の仕様によって、利用できる電源容量の上限が異なる」のです。
家庭での利用であれば、当初予定より多くの電力を使うことがあっても、電源タップを追加購入すればよいだけです。
しかし、一般に常時稼働を求められるサーバー機器は事情が変わってきます。サーバーラックの電源容量を追加するために、新しく電源設備の追加工事が発生することがあります。また、仮にサーバー機器の電源を新しい電源設備に差し替えるとしたら、システム全体を一度全面停止する必要があるかもしれません。

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1-2. 正しい運用には、正確なサーバー電源容量計算が必須

サーバー運用の観点から、なぜ正確なサーバー電源容量計算が必要なのでしょうか。
サーバー電源容量計算の難しさの一つは、「あるサーバー機器で使用される電力量が、一定ではなく、状況により変動すること」です。
CPUは、できるだけ使用する電力を節約するよう動作します。逆に、CPUの処理能力をフル活用しているとき、例えば、多量の計算処理を連続でおこなえば、サーバーは普段より大きな電力を使います。しかも、システム構成やアプリケーションの種類によっては、複数のサーバーが同時に電源容量のピークを迎えるかもしれません。普段正常に動いているシステムが突然ダウンしたら、サーバー電源容量合計が、電源設備の限界を超えてしまったのかもしれません。

2. 電源容量(消費電力)計算の基本

2-1. 消費電力単位:WとkVAの違い

データセンターなど業務用電源容量の単位としてkVA(キロボルトアンペア。Kは1,000を表す)が、使われます。一方、一般の家電製品の表示はW(ワット)です。

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どちらも消費電力の単位であり、V(ボルト:電流の圧力) × A(アンペア:電流の流れる量)であることは、同じです。では、何が違うのでしょうか?

(1)W:電気機器が「機能として」消費される電力(消費電力の一部)
(2)VA:電気機器全体を動かすのに消費される電力

電子レンジを例に説明しましょう。「温め500W」といったW(ワット)を使った表示を見たことがあるでしょう。ここで「500W」は「食べ物を温める機能」に使われる電力消費容量です。一方、電子レンジには、センサー、ターンテーブル、時間表示機能など、温め以外にも様々に電力を消費します。これらを含めた消費電力全体を表すのがVAです。一般には、kVAとキロ単位で使われます。

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2-2. 電源容量単位kVA

消費電力全体を表すのがkVAです。ということは、同じ機器でもWでは電源容量を過小評価してしまう場合があります。つまり、計算ミスが許されない商用電源では、kVAを使って電源容量を計算することが必要です。

3. サーバー機器から電源容量を計算する方法

3-1. サーバー当たりの電力容量計算

先ほどの電子レンジの例で示したように、サーバー電源容量kVAは、W表記だけではわかりません。特に、サーバー機器の電源容量は、同じ機種でもスペックによって変化します。「ディスクは何本か?」「メモリ容量は?」「他のオプション部品は?」 これらの総電源容量を正確に計算することは、ユーザーには困難です。そのため、kVAは機器を購入したメーカーやベンダーに確認するのが一般的です。

3-2. 全体の電源容量を計算する

サーバー機器や同時に利用するネットワーク機器の個々の電源容量がわかったら、単純にすべての数字を合計します。その合計kVAが準備するべき電源設備に求められる電源容量です。

4. 電源容量の注意事項

4-1. サーバー用途から最大電源容量を考える

すべての機器の合計kVAが求められる電源容量でした。さて、この合計kVAは、「すべての機器がピークに達した場合の電源容量」です。
一般的なアプリケーションでは、「すべてのサーバーCPU処理が一斉にピークに達すること」はありません。よって、合計kVAの70%〜80%ぐらいの電源設備を用意すればよいでしょう。
ただし、機械学習などの科学技術計算では、すべてのサーバーが一斉にCPU処理能力の限界まで電源容量を消費することがありえます。今回利用するサーバー用途で、特に消費電力の大きいCPUの処理容量が「一斉にピークに達することがあるのか、分散しているのか」は、大きなチェックポイントです。

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4-2. 運用後に電源容量は実測する

導入前の電源容量計算の仕方を説明しました。しかし、お気づきのように、この数値はあくまで仮定です。机上計算と実測の電源容量は異なる可能性があります。
特に、同じ用途のサーバーを複数利用する場合は、使用中の電源容量を実測してみましょう。サーバー増設する場合は、その実測値を踏まえて、電源設備を用意することをお勧めします。 なお、データセンターなどでは、電力の実測値を図ってくれるサービスが用意されていることが多いです。

まとめ

サーバー電源容量の計算方法について説明しました。電源容量の計算ミスは、設備ダウンなどの重大事故に繋がる場合もありますので、慎重に計算しましょう。
一度自分で計算したあとは、最後に一度専門家にチェックしてもらうことをお勧めします。

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