コラム:SDGs

SDGsとは。~SDGs目標の概要と実践~『データセンターの場合』で解説 その1 概要編

SDGsとは。~SDGs目標の概要と実践~『データセンターの場合』で解説 その1 概要編

SDGs(持続可能な開発目標:Sustainable Development Goalsの略)が国連で採択され4年半ほど経過しました。2030年までに現在の地球、人類の課題を解決し、持続可能な社会を共に創造していくという意思を表したものです。今回はSDGsの概要や背景、またその実践に取り組む事例をご紹介しながら、皆さんと一緒に考えるきっかけをご提供したいと思います。

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第1章:SDGsとは

SDGs(エス・ディー・ジーズと読みます)は、Sustainable Development Goals、日本語に訳すと「持続可能な開発目標」となります。2015年9月の国連総会で参加した190以上のすべての国や地域が賛成して採択された2030年までの目標です。貧困問題や衛生問題、環境問題など、テーマは多岐にわたっており、それらを達成することで、よりよい未来、よりよい地球を後世に残していくための目標となっています。逆に、もしこれらが達成できない場合、よりよい未来と地球を後世に残していくのが難しくなると言い換えることもできます。

もともと2000年にはMDGs(Millennium Development Goals:詳細は国連のサイトに記載 https://www.unic.or.jp/activities/economic_social_development/sustainable_development/2030agenda/global_action/mdgs/)という目標が設定されており、SDGsはそれを一部引き継ぐ形をとりながら、未来のためにより野心的な目標を設定しました。また、MDGsの主なターゲットが発展途上国の衛生問題や貧困問題だったのに対し、SDGsは先進国も含めたすべての国、地域にとって必要な目標として作られたことも大きな特徴です。

第2章:SDGs 17の目標と169のターゲット

SDGsには17の目標があります。以下にその目標を列記します。
外務省Webサイトより(https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000101402.pdf

  • 目標 1. あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる目標 1. あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる
  • 目標 2. 飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する目標 2. 飢餓を終わらせ、食料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する
  • 目標 3. あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する目標 3. あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する
  • 目標 4 . すべての人々への、包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する目標 4 . すべての人々への、包摂的かつ公正な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する
  • 目標 5 . ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う目標 5 . ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う
  • 目標 6. すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する目標 6. すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する
  • 目標 7. すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する目標 7. すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する
  • 目標 8. 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する 目標 8. 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する
  • 目標 9. 強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る目標 9. 強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る
  • 目標 10. 各国内及び各国間の不平等を是正する目標 10. 各国内及び各国間の不平等を是正する
  • 目標 11. 包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する目標 11. 包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する
  • 目標 12. 持続可能な生産消費形態を確保する目標 12. 持続可能な生産消費形態を確保する
  • 目標 13. 気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる目標 13. 気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる
  • 目標 14. 持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する目標 14. 持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する
  • 目標 15. 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する目標 15. 陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、ならびに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する
  • 目標 16. 持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する目標 16. 持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する
  • 目標 17. 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する目標 17. 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

このように、SDGs目標は大きく分けると『貧困問題』『衛生問題』『平等問題』『環境問題』を中心に設定され、それらを実現するために17番目としてグローバルなパートナーシップの活用を求めています。
また、SDGs17の目標それぞれには5~10程度のより具体的な達成状態の説明もされており、それらを「169のターゲット」と呼びます。例えば、目標1の貧困問題に関して言えば、

  • 1.1 2030 年までに、現在1日 1.25 ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。
  • 1.2 2030 年までに、各国定義によるあらゆる次元の貧困状態にある、すべての年齢の男性、女性、子どもの割合を半減させる。
    以下、目標1に対して7つのターゲットが設定されています。

全てを記載すると膨大な量になってしまうため、詳しくは外務省や国連のサイト、SDGs関連の書籍などで確認をしてみるといいでしょう。SDGsを考える際には17の目標の下にある169のターゲットについても理解する必要があります。

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第3章:SDGs目標の背景にあるもの

第3章:SDGs目標の背景にあるもの

そもそもSDGs目標が制定、採択されたのはなぜでしょうか?
上述したように、2000年に採択されたMDGs目標は主に発展途上国をターゲットにした『貧困問題』や『衛生問題』に取り組むための目標が中心でした。MDGsは広報活動の不十分さなどの問題もあり、広く一般に認知されることはなく、私たち日本人、そして当社のようなIT業界で働く人間にとって、全く気にも留めないものだったことは否めません。しかし、その間にも『貧困問題』や『衛生問題』以外の、特に『環境問題』はさらに進んでいき、このままの社会・経済のあり方では地球が一つでは足りなくなるという危機感が少しずつ、確実に浸透してきました。そうした危機感の醸成と共有がなされたことで、多くの国と地域の賛同の元、SDGs目標の制定、採択ができたという側面があります。また、国連会議に出席した国や地域のトップだけでなく、同時に私たちの価値観も少しずつ変わり始めています。それまでの経済合理性のベースになっていた大量生産による安価な使い捨て商品の大量消費、大量廃棄による環境破壊への疑問、低賃金若年労働問題などへの関心の高まりも重要な要素だったといえるでしょう。

SDGs目標制定後(すべて目標が制定されたからというわけではありませんが)にはパリ協定による温室効果ガス削減目標(-2.0℃とか-1.5℃目標といわれるもの)が決定し、海洋プラスティックごみ問題が取りざたされ、大手外食チェーンがストローの使用を停止するというニュースが流れたのは記憶に新しいところだと思います。また、金融面に関してもPRIに署名する機関投資家が増加し、環境や社会に対する積極的なアクションを行わない上場企業に対しての投資を減らすという動きが出たことで、SDGsの重要性は嫌が応にも高まっているというのが現在の状況だと思います。

第4章:SDGs目標と企業活動

SDGs目標達成のためにはイノベーションやパートナーシップによって企業が主体者として取り組んでいくことが重要であると国連は訴えています。また、SDGs目標に絡んで、様々な新しいビジネスが生まれてくるともいわれており、わかりやすい例でいうと、目標7(持続可能な近代的エネルギー)や目標13(気候変動対策)については、太陽光をはじめとした自然エネルギーのマーケットを中心に、世界全体で800兆円や300兆円の新しいマーケットが創出されるという試算(※)も出ています。

SDGsの各目標に関連する市場規模を試算

※SDGsの各目標の市場規模試算結果(2017年)

SDGsの各目標の市場規模試算結果(2017年)

出典:経済産業省HPより

そのため、SDGsをひとつのきっかけ、チャンスととらえ、目標達成に寄与する商品やサービスを開発するというイノベーションも数多く生まれています。サーキュラ―エコノミー(循環型経済)、シェアリングエコノミー(共有型経済)などの新しいマーケットも立ち上がっており、こうした市場の流れに取り残されることは企業活動にとっても致命的になっていくと考えられています。ただし、最近では『SDGsウォッシュ』なる言葉も出てきています。SDGsウォッシュとは、自社の取り組みや商品、サービスをあたかもSDGs目標を達成するために有効な良いものだと思わせるような広報・マーケティング展開をしておきながら、実態がほとんど伴っていないことを指します。SDGsは現在の社会においてはマーケティングにも活用できるキーワードになりつつありますが、消費者の本質を見極める視点も非常に優れていますので、見せかけだけのSDGs(=SDGsウォッシュ)には、むしろ厳しい批判が返ってくることも想定されます。SDGsを謳う際には、その取り組みが本質的な課題解決につながるかどうかが重要です。

第5章:CSRとSDGs リアクティブからプロアクティブへ

企業がSDGsに取り組むことはもちろん社会貢献につながります。では、これまで言われてきた企業の社会的責任、CSR(Corporate Social Responsibility)とは何が違うのでしょうか?

CSRというキーワードが叫ばれていた時代、企業も社会の良き一員としての活動、態度が望まれました。そうした中で多くの企業が行ったのは、利益の一部を環境団体、衛生団体などに寄付をすることで、自社の社会的責任を果たしたというスタンスをとることでした。その寄付の意図は、自社の事業活動の中で生まれる様々な不条理・不都合への贖罪の印象が強かったことは否めません。もちろんすべてのCSR活動が贖罪の意図ではありませんが、このような考え方で安易に寄付という形で利益の再分配をしていた場合、事業の業績悪化があればその寄付はカットされるという場合も多かったように思います。1990年当時、経団連は「1%クラブ」を設立し、企業の利益、個人の可処分所得の1%を社会貢献活動に支出しようという運動を行っていることからも、利益が減れば社会貢献に使われる寄付額も減るという仕組みでした。企業にとって社会貢献は、しなければならいもの、だから利益の一部を寄付に回すという考え方は、社会の要請・要求に対してのリアクション、つまりリアクティブな企業活動だったといえると思います。

一方、SDGsについてはどうでしょうか?SDGs目標はよりよい未来、より良い地球を後世の残すためのものとして制定、採択されました。そして、実現のためには企業のイノベーションやパートナーシップが重要となっていることにも先に触れました。多くの識者はSDGs目標達成につながるイノベーションや新しい商品、サービスで企業が利益を得ることを否定していません。SDGsではその達成に寄与するイノベーション(新しい技術も用いた新商品・新サービスの開発など)が推奨されており、市場や消費者の評価も相まって、SDGsに積極的に取り組み、贖罪ではない企業活動を行うことが重要となっています。つまり、CSR時代のリアクティブな企業活動ではなく、より積極的なプロアクティブな企業活動が求められているのです。そのため、自然エネルギーを生成・活用するための新しい技術開発やそれを用いた商品・サービスのリリースなど、プロアクティブな企業活動は年々盛んになってきています。SDGsで重要なのは利益相反ではないビジネスのとらえ方であり、プロアクティブな技術開発に伴う商品、サービスの提供など、企業の事業活動そのものがSDGs目標達成と社会貢献につなげるとともに、自社の利益にもつながるビジネスモデルを構築する必要があります。

次回はSDGsと当社が属するIT業界との関係や、当社が行っている環境配慮型データセンターについてなど、具体例をご紹介します。お楽しみに。

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