コラム:SDGs

SDGsとは。~SDGs目標の概要と実践~『データセンターの場合』で解説 その2 実践編

SDGsとは。~SDGs目標の概要と実践~『データセンターの場合』で解説 その2 実践編

前回のコラムではSDGsの概要についてご説明しました。今回はSDGsとIT業界の関係、実践事例としていくつかの取り組みをご紹介いたします。
前回記事に記載した『プロアクティブ』な取り組み事例となっておりますので、ぜひ参考になさってください。

前回のコラムはこちら

SDGsとは。~SDGs目標の概要と実践~『データセンターの場合』で解説 その1 概要編

第6章:SDGsとIT業界の関係

SDGs観点で私たちIT業界を見てみましょう。
SDGs目標の9番目には「強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る」とあります。また、目標8は「 包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する」となっています。日本でも働き方改革が叫ばれ、イノベーションにより生まれたテクノロジーを活用し、より効率的な働き方をしていくことが求められています。リモートワークや業務効率化を実現するために、ITインフラは欠かせないものとなっており、それらを支えるテクノロジーとしてモバイル通信、ビッグデータ収集と保管、活用のためのIT環境、AIやロボットによる業務効率化など、IT業界が下支えしているものも数多くあります。もう一方で、ITインフラを稼働させるには大量の電力を消費し、発電によって多くのCO2を排出している業界とも言えます。ある調査によると、東京都の総消費電力のうち12~13%ほどはデータセンターが使っているというデータも出ています。日本は少子高齢化、労働人口の減少という社会課題に直面しており、それらを解決する手段としてもITに期待される部分は大きいのですが、その実現には高い環境負荷が伴うという負の側面もあるのです。そのため海外では、大手クラウドベンダーが自社のデータセンターで使用する電力の再生可能エネルギー比率を高めたり、風力発電事業者がその発電した電力でデータセンターを運営したりするなど、環境とITを共存させるアクションを取り始めました。

第7章:SDGs実践編『データドック新潟・長岡データセンター』

当社が運営する「新潟・長岡データセンター」は、上述したデータセンター、ITインフラの高い環境負荷という課題を解決するためのひとつの答えになるかもしれません。データセンターはご存知の通り、大量のサーバ機器などを安定した電力供給と運用で支える基盤設備です。そこでは多くのIT機器を動かすために大量の電力を消費しています。しかし、使用電力の中身をよく見てみると、実はIT機器を動かすために必要な電力は、データセンター(サーバールームに限定)全体での使用電力の約55%で、残りの45%はサーバールームを冷却するための空調用電力となっています。当社ではまずこの空調電力をいかに下げていくかに着目しました。そこで、一般的なデータセンターとは異なる「寒冷地」であることを条件に設置場所を選び、周辺の冷涼な外気を湿気やほこりがサーバールームに入らないように取り込んでサーバールームを冷却する間接外気空調システムを導入しました。さらに、冬季に降る雪も活用します。データセンター敷地内に雪山を構築(縦35m×横25m×高さ4mほど)し、昔は雪国で盛んに使われていた雪室のように、おがくず(ウッドチップ)で断熱。こうした処理をすることでその雪山を秋まで解けずに残しており、その冷却熱をサーバールーム冷却に使うという『雪氷外気ハイブリッド空調』システムを構築しました。

『雪氷外気ハイブリッド空調』システム

これによって同規模のデータセンターと比べると約40%の消費電力の削減に成功しており、この取り組みが評価され、Jクレジット制度(CO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証する制度(※1)のプロジェクト登録をデータセンター事業者として初めて取得しました。Jクレジット制度で取得したクレジットは排出権としてやり取りでき、カーボンオフセット市場で販売も可能ですが、当社では新潟・長岡データセンターをご利用いただくお客様に対して無償で付与(※2)することで、お客様と一緒に温室効果ガス削減をしていく取組を行っていきます。ご利用に応じてクレジット(=排出権)を付与するデータセンターは日本で当社しかないユニークな取組となっており、様々なメディアでもご紹介いただいています。こうした取り組みを当社に限らず、多くのデータセンター事業者が実施していくことで、データセンターの電力大量消費問題は解決されることになるかもしれません。また、太陽光、風力などの再生可能エネルギーの比率を高めていくことも今後の社会と地球環境にとって価値のある取り組みになると期待しています。

(※1)Jクレジットサイトから一部抜粋 https://japancredit.go.jp/about/
(※2)ご提供には条件がございます。詳しくはサービスページをご覧いただくかお問い合わせください。

CO2排出を削減するサステナブルデータセンター
『データドック新潟・長岡データセンターのSDGsハウジング』

念のため、目標13とそのターゲットを下記に記載します。

目標 13. 気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる*【国地気候:全般】
13.1 すべての国々において、気候関連災害や自然災害に対する強靱性(レジリエンス)及び適応力を強化する。
13.2 気候変動対策を国別の政策、戦略及び計画に盛り込む。
13.3 気候変動の緩和、適応、影響軽減及び早期警戒に関する教育、啓発、人的能力及び制度機能を改善する。
13.a 重要な緩和行動の実施とその実施における透明性確保に関する開発途上国のニーズに対応するため、2020 年までにあらゆる供給源から年間 1,000 億ドルを共同で動員するという、UNFCCC の先進締約国によるコミットメントを実施し、可能な限り速やかに資本を投入して緑の気候基金を本格始動させる。
13.b 後発開発途上国及び小島嶼開発途上国において、女性や青年、地方及び社会的に疎外されたコミュニティに焦点を当てることを含め、気候変動関連の効果的な計画策定と管理のための能力を向上するメカニズムを推進する

パリ協定概要(https://www.mofa.go.jp/mofaj/ic/ch/page1w_000119.html

・世界共通の長期目標として2℃目標の設定。1.5℃に抑える努力を追求すること。
・主要排出国を含む全ての国が削減目標を5年ごとに提出・更新すること。
・全ての国が共通かつ柔軟な方法で実施状況を報告し,レビューを受けること。
・適応の長期目標の設定,各国の適応計画プロセスや行動の実施,適応報告書の提出と定期的更新。
・イノベーションの重要性の位置付け。
・5年ごとに世界全体としての実施状況を検討する仕組み(グローバル・ストックテイク)。
・先進国による資金の提供。これに加えて,途上国も自主的に資金を提供すること。
・二国間クレジット制度(JCM)も含めた市場メカニズムの活用。

第8章:SDGs実践編 その他の業界での実践事例

SDGs目標達成に向けた他の業界や企業の取り組みはどうなっているでしょうか?すべてを網羅するのは難しいのですが、いくつかご紹介します。

水を使わずに再生紙を生成する(※3)エプソンの「PaperLab」

SDGs目標6には水問題が取り上げられていますが、再生紙の生成には大量の水を必要とします。また、使用済みの紙はシュレッダーにかけて事業ごみとして排出され、新しい紙がトラックで運ばれてきます。その結果、プリンタを使った印刷・出力時には『紙』という媒体を通じて様々な環境負荷が生じます。エプソンではそうした課題を解決するために、水をほとんど使わずに再生紙を生成できる「PaperLab」という商品を開発。水と紙の原料であるパルプの使用量を大幅に削減するとともに、紙の輸送によって発生するCO2排出削減を実現しています。

(※3)機器内の湿度を保つために少量の水を使用します。

エプソン 公式Webサイトはこちら

従業員の働きがい向上と社会貢献を同時に実現するHR-Techサービス
「Unipos」

「Unipos」のロゴ

Uniposは、従業員同士が「賞賛・感謝の言葉」と「ピアボーナス(少額のインセンティブ)」をWeb上で送り合えるサービスです。
日々の貢献を互いに認め合い、オープンな場で共有することが、従業員のモチベーションやエンゲージメントの向上、信頼関係の構築、一体感の醸成につながります。
Uniposが提供する「SDGsプラン」では、ひとり一人の従業員が受け取った少額のインセンティブを、SDGs達成を目指す機関・団体へ寄付できます。各機関・団体からの活動報告が、自分の仕事が社会貢献につながっているという実感につながり、より働きがいが向上します。
寄付先の団体は、各企業と関わりの深い分野や目指す目標に応じて選ぶことができます。

Unipos 公式Webサイトはこちら

養殖と水耕栽培を同時に行う循環型農業を展開するアグリベンチャー
「プラントフォーム」

「プラントフォーム」のロゴ

養殖する魚の排泄物を肥料として野菜を育て、植物が栄養を吸うことで水は浄化され再び養殖へ戻すという、海や土地を汚すことなく食料を生産するアクアポニックスという技術が世界的に注目を浴びています。この地球環境に極めて優しい生産技術を国内でも広めようと、アグリベンチャーのプラントフォーム社が新潟県で事業を展開しています。

更に新しい取り組みとして、データセンターや下水処理場から出る余熱を植物工場の運営に活用することで、新たなエネルギーのリサイクルモデルの実現を目指して、実証実験が始まっています。

レタスの写真

プラントフォーム 公式Webサイトはこちら

第9章:まとめ

SDGsは持続可能な社会を実現するために、2015年に国連で制定、採択された17の目標と169のターゲットからなる人類共通の目標です。背景には日に日に悪化していく環境問題や世界全体で見た時の地域格差などの社会問題があります。SDGs目標を達成するためには、イノベーションとパートナーシップを活かした企業活動が重要であり、企業経営においてもその重要性が増してきています。これをチャンスととらえ、プロアクティブな活動を推進していくことが企業には求められており、IT業界に限らず、様々な業界でその取り組みを積極化しています。皆さんも改めてSDGs目標を見直し、小さなことでもいいので、まずは自社や自分でできることから始めてみるのはいかがでしょう?私たちと一緒により良い未来を創っていきましょう。

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